ドイツのアンゲラ・メルケル首相は2015年9月5日に国境を解放した。
多くのドイツ人は「違法な人間など存在しない」というスローガンを抱えながら難民を出迎えた。
この日から中央ヨーロッパにあるこれまで安全と言われていた国ドイツは一変した。

2015年にドイツに入国した難民・移民は百万人を越えると言われている。
この中でも内戦やイスラム国の支配から逃げてきているシリア人、イラク人を始め、
アフガニスタン人や北アフリカのアルジェリアやチュニジアなどの国からの難民・移民が多い。
また、2015年に著しく多かったのは、バルカン半島にあるアルバニアやコソボからの移民だった。

Merkel

ドイツ警察の発表によれば、2015年以来ドイツ国内での犯罪率、
特に性犯罪、ひったくり、スリなどの犯罪が劇的に増加し、
そのうちのほとんどの容疑者が移民あるいは、移民の子孫であることが確認されている。

また、それ以来ドイツ国内では、過去に一度も起こったことのないタイプの事件も発生した。
2015年大晦日のケルンでは、中央駅内あるいは付近で、多くの女性が移民の男たちに性的な
暴力を受けたり、財布やスマートフォンが大量に盗まれる事件が起こった。
さらには、これまでイスラム系のテロは起こったことのなかったドイツであったが、
2016年だけで、4件以上のテロ事件が起こっていた。年末にベルリンのクリスマスマーケットに
トラックが突っ込み、多くの尊い命が奪われたことはまだ記憶に新しい。
それだけではなく、頻繁にイスラム系テロリストやイスラム系と繋がりのある人物への家宅捜査が行われているのだ。

ここで注目すべきところは、これまでに起こったテロ事件の犯人あるいは、
テロを事前に防いだ警察の家宅捜査など捕まった容疑者の多くが、難民として
ドイツに入国していたことだ。

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ドイツに生まれたゲットー地区・ノーゴーエリア

今ドイツの多くの都市にはいわゆる「ノーゴーエリア(No Go Area)」と呼ばれる
行かない方がいいとされる地域が存在する。
その中でも有名なのは、首都ベルリンにあるノイケルン地区やヴェディング地区、
西ドイツのデュースブルクにあるマルクスロー地区だ。
この地区の一部では、警察も介入できないほど危険と呼ばれる場所がある。
ドイツのメディアの調べでは、そういった地域には、アラブ系(レバノン系)や
いわゆるロマと呼ばれる人たちが暮らしており、そこでは、ドイツ語はほとんど聞こえてこない。

Roma

また、2016年の秋頃には、アメリカ外務省は、ドイツに渡航する旅行者に
人が集まる場所(クリスマスマーケット)での注意を促していた。
その数ヶ月後にベルリンで忌々しいテロ事件が起こったのだ。
その他にも、独西部のボーフムで中国人女子留学生2名がイラク出身の難民の男に性的な暴力を受ける事件が起こっていた。
これを受け、中国の総領事館も現地にいる中国人に注意を促し、今となってや、中国人の留学生は、
渡航前に自分が住むドイツのエリアに難民施設があるかないか調べることは当たり前のこととなっているようだ。

左翼ジャーナリストとフェイクニュース

これまでフェイクニュースと言えば、ソーシャルメディアなどで垂れ流される根拠のないネタだったが、
アメリカ大統領トランプ氏が就任前の記者会見でCNNのジャーナリストを遮り、
フェイクニュースと罵ったように、メインストリームのメディアへの信頼が揺らいでいる。

先に書いた大晦日のケルンの事件は事件翌日ではなく、数日後に判明したものであり、
さらには、現職の現場にいたとされる警察官が暴露し、世に出てきたニュースだった。
それまでの警察のリポートは「平穏な大晦日の夜だった」だ。
ケルンの地元紙も同様に、そんなおそろしい女性への暴行事件が中央駅で起こっていたにも関わらず、
数日経つまでは、一切関係のないニュースを発信していた。

Trump

また、ドイツのメディアが犯人の国籍を明かしたがらないことは有名な話で、
これまでも防犯カメラの映像のキャプチャーなどがない場合、単純に年齢と性別くらいしか書かれていなかった。
去年の10月と暮れに、首都ベルリンの地下鉄駅で女性が階段が蹴り落とされる事件の犯人や、
駅で寝ていたホームレスの男性に火をつけたギャングの防犯カメラの映像が映ってからは、
ビルト紙などは、積極的に犯人の国籍を報じているように見える。
この女性が階段から蹴り落とされた時は、事件から1ヶ月以上経って、警察が防犯カメラの映像を
公開したことへの批判が集まっていた。

Berlin Subway

おそるべきドイツ緑の党の正体

ドイツ緑の党は、女性への権利や反原子力発電への政治的アプローチで、
認知され、徐々に指示を集めていった。当時のシュレーダー政権でも社会民主党と
連立を組み、与党に入るまでに成長した。

しかし、近年では、女性の権利や同性愛者の権利、再生可能エネルギーに関するテーマは、
緑の党のものだけではなくなったのだ。麻薬の合法化などを訴えている議員もいるものの、
そのような政策を支持する市民はほとんどいない。
そこで、大きな政治的マニフェストがなくなった緑の党にとって、難民危機は最大のチャンスとなった。

あらゆる難民に関連するイベントやデモなどに参加し、「違法な人間など存在しない」のプラカードを
掲げる。2016年の大晦日のケルンは警察の警備強化もあり、平穏に年越しが行われたが、
年明け早々に、緑の党の党首のジモーネ・ペーター氏は、警察がツイッター上で、北アフリカ人のことを
Nafrisと略したことを激しく批判した。この批判に対しては、党内からも否定的な声が上がり、
その後、本人はこの発言を撤回し、警察に感謝の言葉を伝えた。
これまでにも、警察への批判を言う、緑の党党員は多くいた。

Green

年末のベルリンでのテロの際にも、ハンブルクとブレーメンの法務担当議員(緑の党)は
警察からの捜査協力に対しては、ソーシャルメディアで犯人が捜査されると言うことは、
ヘイトスピーチを出すことに繋がると拒否し、結局は10時間以上経ったあとに、これに応じた。
多くの緑の党の議員は、容疑者の国籍が報じられることに対して非常にナイーブだ。

ベルリンの議会は現在、社会民主党と緑の党と左翼党の大連立だ。
クリスマスマーケットでのテロ以降にセキュリティに関する議論がなされたが、
犯人特定や確保を早めるとされるより多くの防犯カメラ設置へは、緑の党、左翼党共に否定し、
曖昧なまま、この議論が終わり、警察官を増やすことで合意したようだ。
しかし、警察官を増やすと言っても、人材を育成するのには時間がかかるが、
これについては一体どう考えているのだろうか?

さらには、警察官の装備への問題点も指摘されている。これは、もしも、武装した
イスラム系テロリストいた場合に全く十分ではないとされるものだ。
テロ事件以降、ドイツでは、自動小銃のような武器を持っている人がいるが、
これにはマガジンが挿入されていないのだ。有事が起こってからマガジンを挿入するというものらしいが、
それで本当に市民を守ることはできるのだろうか?
緑の党が権力の座にいる間には、これらは変わりそうもない。
よくドイツ人から聞こえてくる声は、「緑の党は私たちを守るつもりは一切ない」だ。

このままいけばドイツは数十年後には全く違う国になってしまうのだろうか。
第二のスウェーデンと言われ始めているドイツ。

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